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損しない車両保険の使い方

 車両保険を使うと翌年の割引等級が3ランク下がる上に〜 事故有係数も加算されてしまうため、年間保険料は軒並み負担増(ペナルティ)となってしまいます。

 なので大きな事故ならば迷う必要はないかもしれませんが、、 特に小さな事故は保険を使うべきか否かかなり判断に迷ってしまうでしょう。

 というわけで当頁では、そんな判断に迷ってしまうケースで 「これくらいだったら保険を使おうかな・・・」という目安ラインの計算方法を紹介しておきますので、もし皆様のお役に立てれば幸いです。

 ※ 以下計算例は ”ひとつの考え方” でしかありません。 また平均的、必要最小限、かつかなりアバウトなものでしかありません。 なので場合によっては現実・実態とかなり差が出る可能性もあり、要素的にかなり確実性に欠ける部分も多いでしょう。 あくまで ”大まかなご参考” までにご参照を願います。(損得勘定含め、確実性を求めるなら保険屋さんへ直接ご相談されますことをオススメ致します)

@ 先ずは現在の等級と割増引き率、保険料を調べる

 損保によって異なるかもしれませんが、おおよそ保険証券を見ると何れも記載されているでしょう。

 なお保険料は、もちろん全体での保険料です。(対人・対物補償なども含め) 車両保険部位のみのモノではありません。

A ベース保険料を算出する

 調べた保険料と割増引き率から、割増・割引きされていない 割増引き率ゼロの保険料を算出します。(ちなみにこの保険料を当頁では ”ベース保険料” と称呼します)

 算式 100 : (100 - 割引き率) = X : 保険料
いわゆる比の計算です。 これで割増引き率ゼロのベース保険料が出ます。 (割増し率の場合はマイナス値で計算)

 もし現在の割増引き率が63%割引で、保険料が74,000円なら、、
100 : (100 - 63) = X : 74,000
100 : 37 = X : 74,000
37X = 7,400,000
X = 200,000

 20万円がベース保険料となります。 

B 等級表を見る

 いわゆる何等級ならば割増引き率が何%ですよ〜 みたいな表です。

等級 1 2 3 4 5 6F 7F 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
割増引率  無事故 64 28 12 2 13 19 28 40 41 43 46 47 48 49 50 52 55 57 59 63
事故有 20 21 22 23 25 27 29 31 33 36 38 40 42 44

 こんなヤツです。(ちなみにこれは2013年6月時点の東京海上日動のものです。他の損保では異なります)

C 保険を使った場合の翌年度の保険料を予測します

 先ずは保険を使った場合。(3等級ダウン事故)

 翌年度は現在の等級よりも3ランクダウンした上、事故有係数は+3となりますので、(1等級ダウン事故は除く

 そのランクダウン+事故有の割増引き率で保険料を予測します。

 算式 ベース保険料 × (100 - ダウンした等級での割引き率)%
※ 割増し率の場合はマイナス値で計算。
※ 事故有の割増引き率で計算することを忘れずに。(⇒ 事故有係数について

 もし現在が20等級で、翌年度の等級が17等級で割増引き率が38%割引ならば、、 20万円 × (100 - 38)% ⇒ 20万円 × 62% = 124,000円

 124,000円が翌年度の予測保険料となります。 

D さらにその保険を使った場合の、翌年度から20等級までの予想保険料も積算します

 さらにまたその翌年から、(保険を使った翌々年度) 20等級まで順調に回復した場合を想定し、、

 その20等級になるまでの年分の保険料も積算して行きます。(最高等級まで積算して行くのがミソ)

 1年度分の算式 ベース保険料 × (100 - その等級での割引き率)%
※ 割増し率の場合はマイナス値で計算。
※ 事故有係数がゼロになるまでは、事故有の割増引き率で計算することを忘れずに。(⇒ 事故有係数について

 例えば、保険を使った翌年度が17等級まで下がってしまう場合には、上記 17等級・事故有係数+3の保険料に加え、、

 翌々年度の18等級・事故有係数+2の保険料、(計算式: 200,000円 × (100 - 40)% = 120,000円)

 さらにまたその次の年の19等級・事故有係数+1、(計算式: 200,000円 × (100 - 42)% = 116,000円)

 そしてまたまたその次の年の20等級(事故有係数0) (計算式: 200,000円 × (100 - 63)% = 74,000円)

 ここまで先の毎年の予想保険料をそれぞれ加算して行きます。

 ちなみにこの例のケースでは、4年間で 434,000円の保険料を支払う予測計算に。 ※1
   
 なお、当該計算は 割増引き率の等級が最大20等級までとして、またそれを想定して計算しておりますので、もしご自身の損保の等級最大値がそれ以下、もしくはそれ以上の場合には、その等級最大値まで加算する形で各ご算出ください。

E 保険を使わなかった場合の翌年度の保険料を予測します

 そして保険を使わなかった場合。

 翌年度は現在の等級よりも1ランクアップしますので、

 その1ランクアップした割増引き率で保険料を予測します。(既に最高等級の場合にはそれ以上の1ランクアップはなし)

 算式 ベース保険料 × (100 - 1ランクアップした等級での割引き率)%
※ 割増し率の場合はマイナス値で計算。

 もし翌年度の等級も(が)20等級で割増引き率が63%割引ならば、、 20万円 × (100 - 63)% ⇒ 20万円 × 37% = 74,000円

 74,000円が翌年度の予測保険料となります。 

F 保険を使わなかった場合のパターンも積算します

 ちなみに、保険を使わなかった場合も数年の等級アップ&積算を行うわけですが、(でないと比較になりませんから ^^;)

 1年度分の算式 ベース保険料 × (100 - その等級での割引き率)%
※ 割増し率の場合はマイナス値で計算。

 その積算は、

 上記 ”保険を使った場合で積算した同等の年数分で積算” してください。

 なお、この例のケースでは4年分で、翌々年以後も20等級のままなので、、 4年間で 296,000円の保険料を支払う予測計算に。 ※2

G それぞれの積算の差を算出し、修理代と比較する

 最後に、これまで積算した ”使った場合” ”使わなかった場合” の予測保険料の差を算出します。

 この例のケースでは (※1)434,000円 - (※2)296,000円 = 138,000円ですね。

 もうここまで来ればなんとなくお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、

 そう! これが車両保険を使う事によって負担増となるトータル予想額です。(言い換えればペナルティ)

 すなわち、単純にこの負担増予想額よりも修理代が高ければ〜 保険を使ってもイイかなレベル(目安)というわけ。

 なんとなく雰囲気伝わりましたでしょうか。

 皆様のお役に立てれば何より大変幸いに御座います m(_ _)m

 なお、これら目安には ”免責” は含めておりません。 もし別途免責が掛かってくる場合には、、 負担増予想額にプラスしてご参照くださいませ。

 また修理代にはローン金利など、最終的な支払い総額でご参照される事にもご留意ください。
   
 保険は頻繁に保険料改定が行われますし、年毎に契約者条件が変動することも多いでしょう。(料率保険金額等の車両条件変動も含) また契約者によって特約等による授受する保険金に違いが発生することも多いでしょう。 さらに今後保険や愛車の乗り換えをされる可能性もあるでしょうし、補償内容の変更、追加で事故してしまう可能性もあるでしょう。 それからそれから、、 等級制度以外で無事故割引がある損保があったり・・・ まあとにかく! より正確な負担増予想額を想定する事はさらにもっと複雑であり、またもし複雑に想定したとしても予測し切れない未来要素も多いですから、、 いずれにしても当頁、又は当サイトでそこまで正確性高い計算(損得勘定含)をすることは出来ませんので、その辺りは重々予めお含みおきのほどを願います。

 とにかく当頁の目安は あくまで簡易的・大まかな目安としてまでに願います。(その他、色々な考えうる要素も含め)

/// ちょいと裏技? 保険が使えそうもない計算の方必見!? ///


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